向田邦子『あ・うん』

今回読んだのは、

向田邦子さん『あ・うん』です。

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向田邦子さんと言えば、テレビドラマ脚本家やエッセイストとして著名ですが、皆さんはご存じでしょうか?

中学校の国語の教科書に「字のないはがき」というエッセイがあるので、多くの人が一度は読んだことがあるかもしれません。

 

そんなことはさておき、『あ・うん』は著者唯一の長編の小説です。

 

中心人物の二人は門倉修造と水田仙吉。時代は戦中です。 

門倉は中小企業の社長でお金持ちに加え、女性からもてる美男でありますが、

水田は反対に、月給で慎ましい暮らしをする冴えない男です。

そんな対照的な二人でありますが、どういうわけか仲が良く、その様子はまるで神社の鳥居に並ぶ狛犬・阿、呍のようです。

二人を中心に水田の妻・たみ、娘・さと子、門倉の妻らが登場し物語は流れていきます。7つの章に分かれていますが、どれも物語の世界に引き込まれ、読む手が止まりませんでした。

 

『あ・うん』では友情や愛情が描かれているのですが、時にそれがいきすぎたかたちで描かれていることもあり、読者の我々が呆れてしまいます笑。

なんといっても男性陣がだらしない。不倫はするわ暴力を振るうわ。

令和時代では考えられませんね。

けれど、なんだが憎めない。

たぶんの、彼等の根底には愛するもののために何かをしたいという思いあるからだと私は思います。

不器用な友情や愛情なのですが、人間味があって温かい家族愛の作品です。

 

ところで、向田さんはよくエッセイに自身の父親について書いていました。あの父親も昭和の親父という感じでろくでもなく見えますが、実は家族思いの男でありました。

向田さんは不器用な男を描くのが上手いように思えます。

 

向田邦子さんが好きな方は、是非手に取ってみてください。

短篇を凌駕するほどの味わいがあります。

 

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本日もブログを書きました。

2日目ですが、著作権やurlの貼り方などが分からなくて、

勉強不足を感じた日でした。

あと、文章技術を上げたい!上手く要約ができませんね。

頑張ります。

それではまた!

 

読んでくれてありがとうございます!!